現在、コロナウイルスによる自主的自粛措置継続中で、あまり遠くにお出かけできません。この期間を利用して、過去に行った世界遺産について書いてみようと思います。この旅は、かつてドイツに勤務していた2004年10月に行ったものです。

ヴァイマール 2004,19,2~3

 最近、ドイツでは連邦議会の選挙をやっています。統一ドイツ後の政権は旧西ドイツの政党がついていました。今回もその流れは変わらないもようですが、東ドイツの社会主義政党やヒトラーの時代を復活させようとする極右政党が票を伸ばしています。失業対策への失望から現政権への批判票が伸びたのだそうです。旧東ドイツは、まだまだ西との格差があり、大変みたい・・・。ヴァイマールは、旧東ドイツの町。最近ヨーロッパ文化首都に選定された由緒正しい都市です。古くはゲーテやシラーがここを拠点にして活躍し、第一次大戦後、あの有名なヴァイマール憲法が制定された場所でもあります。(日本ではワイマールと呼んでいるけれど、こちらの発音ではヴァイマールが正しい。)

 10月2日(土)、朝8時に出発。いつもより遅いスタートだけど、今日は宿泊するのでゆっくりでも大丈夫なのです。(おまけに、父は昨日の夜は同僚と食事会だった。)いつも通りアウトバーンを走り、途中でトイレ休憩をしながらヴァイマールに到着したのはお昼ちょっと前。(270キロあるもんね)

 駐車場に車を入れて、ちょっと迷った後に最初に入ったのが「ゲーテハウス」。フランクフルトで生まれたゲーテは、26歳でヴァイマールに移り住み、82歳で亡くなるまで過ごした街なのです。ゲーテが実際に過ごした食堂や図書室、寝室、仕事部屋を見学し、当時使っていた馬車も見てきました。(でも、よく考えてみたらゲーテの作品てあまり読んだことないなあ。「ファウスト」くらい?)ゲーテハウスを出て、すぐに昼食。広場に面した小さなアジアレストランに入ったらこれが大当たり!チャーハンも焼きそばもスープも日本人に合う味付け。おまけに全部で17ユーロで済んじゃいました。

市庁舎でーす。
ゲーテハウス。
有名なゲーテとシラーの像。

 昼食で満足した一行は、ラートハウス、国立劇場(ヴァイマール憲法が制定された場所)、それから宮殿(と呼ぶには小さな建物)、シラーの家などを見物、バウハウス博物館も見てきました。(バウハウスとは何かというのは、またの機会に・・・)この日の見学で一番よくわかったのが「ヴァイマールハウス」という街の歴史を分かりやすく見せてくれるアトラクション。なぜよく分かったかというと、何と日本語で解説してくれるのです。しっかり勉強して、ホテルに入りました。

バウハウス美術館。
ヴァイマールハウス 。ここ、分かり易くて良かった。

 今回は、ユースホステルが満室だったため、仕方なくホテルに宿泊。でも、ここはプールつきなのでした。夕方1時間ほど優雅に泳いで、いつものように部屋で炊いたごはんを食べて、9時すぎには眠りにつくのでした。

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 10月3日(日)、朝はやく起きて、ホテル前の駐車場でバドミントン遊び、そして朝食。ホテルの朝食はユースに比べて豪華です。とくにソーセージが絶品!いつもよりたっぷりと時間をかけて食べました。満足満足!

ホテルに泊まるとウキウキします。

 今日もヴァイマールの街を散策します。最初に行ったのが「リストの家」。あの有名なピアニストであり、作曲家のリストの家です。
母「リストってあのかっこいい顔の人だよね。」
父「えー?ワーグナーみたいないかつい感じの人じゃないの?」
母「けっこう美男子だよ。」
父「それじゃあ、どっちが合ってるかリストの家で確認しよう。」
 行ってみたら、美男子の若いリストと、ちょっといかつい顔になった年寄りのリストの肖像画がありました。2階では、音楽学校の生徒風のおねえさんが、ピアノの練習をしていました。きっと午後からコンサートがあるのでしょう。きちんとドレスを着てがんばっています。そばには眼光鋭いおばあさん。きっと昔は名のあるピアニストだったに違いありません。サインをもらいたい気もしたけど、そんなことを言おうもんならぶっ飛ばされそうです。ピアノの周辺だけは緊張感がみなぎっておりました。

火災直後のようす。大切な図書もかなり消失したそうです。
1か月が過ぎたようす。

 リストの家を出ると、つい最近火事に遭ってしまった歴史的な図書館を通ります。ここは、つい1か月前の9月2日に消失してしまった建物で、世界遺産の一部にもなっていた図書館でした。かなり残念です。いろいろな街の施設で「復興募金」をしておりました。(すでに修復が終わり、2007年10月より一般開放しています。)
 最後は城を見学し、これで見学は全て終了です。帰る前になぜか「イチョウ博物館」に立ち寄り(なぜイチョウなのだろう・・・?)、ケバブを食べて、ヴァイマールを後にしました。(ケバブも安かったな。13ユーロで済んじゃった。東ドイツは食事が安い!)

右がお城。
ソーセージも美味いのよね。

 歴史と文化の町ヴァイマールは、ちょっと知的で評判通りかっこいい町でありました。東ドイツにちょっと心惹かれるこのごろです。

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